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バロックと中世・ルネサンスの弦楽器


ト音記号

 バロックバイオリン・ビオラ

 バロック時代のバイオリンやビオラは、現代の楽器(モダン楽器)と見た目はほとんど同じです。違うところは、モダン楽器が金属の弦を張ってあるのに対し、羊の腸をよった弦(ガット弦)を使用している点です。ガット弦は張力が低いため、ネック(指板)の角度が緩やかでバスバーも現代より小ぶりのものが使われています。

 バイオリンが出来た16世紀当時、石造りの教会や宮殿といった、今よりも残響の多い空間で演奏していました。このため、大きな音を出す必要はないかわりに、豊かな抑揚の幅が求められていました。顎あてや肩当はなく、高度な技巧が必要な曲で求められるテクニックも、現代とは違っていました。


バロック

ト音記号

 ビオラ・ダ・モーレ

 「愛のビオラ」と訳される楽器です。他の楽器では味わう事の出来ない、独特な☆心地よい響きがします。演奏用弦(6〜7本)に対し、共鳴弦が同じ数だけ張ってあるので、ダ・モーレの回りにはいつも素晴らしい残響があります。至近距離で愛を奏でるには最高☆・・という事だったのかもしれません。

 バロック時代以後、使われなくなった理由として ・弦の数が多くて、調弦に苦労する(ガット弦は狂い易い事もあり、本当に大変) ・調弦に必要なネジ(ペグ)が12〜14個あるため、楽器の先端が大変重く、長時間弾くのが苦痛である 〜〜という点があげられます。

ダモーレ

ト音記号

 中世フィドル

 一般的にフィドルとバイオリンは、同じ楽器を指すようです。ただフィドルはアイルランド伝統音楽・民族音楽・舞曲を、バイオリンはクラシック音楽等を〜〜同じ楽器ですが、種類の違った音楽を奏でます。そしてフィドラーとバイオリニストにはそれぞれ確固たるプライドがあるようにも思います。

 バイオリンの完成は16世紀。ここで「中世フィドル」と言っている楽器は12世紀頃に存在していました(設計図が残っていない為、絵画や彫刻、古い教会の壁画などから寸法をおこし、現代では復元)。バイオリン・フィドルのような4本弦ではないし、5度調弦でもない・・全く違った楽器と考えていいでしょう。現代のフィドルと区別する為に「中世フィドル」と称しました。

 中世フィドルは楽器職人の他、修道士も製作していたのではないかと言われています。本来の中世フィドルは表板の膨らみがなく、根柱のないものと考えられますが、現代では音量を出す為に表裏板に膨らみをもたせたり、根柱が立てられる場合もあります。

フィドルA フィドルB

左の写真は5弦フィドル、2008年、根柱あり・裏板平・表板膨らみあり。
右の写真左は4弦フィドル、2010年、根柱あり・表裏板共に膨らみあり。
右の写真右は5弦フィドル、2012年、根柱なし・表裏板共に平。 
いずれも、マルコ・サレルノ(ローマ在住)氏製作によるものです。
 (4弦フィドルのモデル CHARTRES-ABREY 1200、彫刻より)
 (5弦フィドルのモデル ANOREA BONAIUTO 1370、絵画より)

シャンソネッタ・テデスカ
    「中世を駆けめぐる放浪楽師」CD 録音映像より  2011年7月


ト音記号

 レベック


 アラブの楽器ラバーブが原型と言われ、奏法が簡単な為ダンスの伴奏等に使われていたと考えられます。

 構造は、まるごとの木を削りだして造られた洋ナシ型の胴体に、表板が貼り付けられています。根柱は立っていません。 胴体が厚いせいか(削りだしが足りない?!)、ミャーミャーと鼻をつまんだような音色で、大きな音は出ません。

 楽器を鎖骨にのせたり、あごではさんだり〜ではなく、腕の付け根に押し当てるような格好で弾きます。


レベック

舞へ舞へ蝸牛(かたつむり)
     「中世を駆けめぐる放浪楽師」CD 録音映像より 2011年7月


ト音記号

 古楽器の弓

 写真が小さいので見にくいとは思いますが、モダンボーは木が反っているのが分かります。バロックボーは少し弓なりです。モダンボーしか見たことのない人には、バロックボーでも充分弓なりに見えると思います。でも、フィドルの弓を体験すると、「すこ〜〜〜〜し弓なり」と言いたくなります。

 昔昔は、木に馬の尻尾をパンッ!と張って・・・本当に木がしなった状態だったのですね。近年の素材はフェルナンブーコやスネークウッド等の木が使われますが、その昔・・・12世紀頃はどうだったのか・・・。

弓

  写真、上から
  フィドルボー
  レベックボー
  フィドルボー
  バロックボー(ビオラ)
  モダンボー(バイオリン)

ト音記号

 ピッチについて

 現代の西洋楽器は、A=440〜445 Hzのピッチが標準的に採用されています。古楽器の場合は、時代や地域によって様々なピッチが使われていて、標準ピッチという考え方が通用しません。例えば、ルネサンス時代のイタリアでは、A=460 Hzで演奏されていた教会が知られています。一方、17〜18世紀のフランス宮廷では、A=396 Hz前後の低いピッチで演奏されていました。同じフランスでも、パリの公開演奏会ではA=410 Hzくらいだったとされていて、場所や演奏会場などによって異なっていたようです。

 今日、古楽器を演奏するにあたって、なるべく当時の演奏を再現するために様々なピッチを使い分けることも行われています。しかし、演奏会や録音のたびに異なるピッチを使うことになると、管楽器やオルガンを毎回変えなくてはならず、不便が生じることも事実です。そこで、一般的には現代の標準ピッチより半音低いA=415 Hzや、全音低いA=392 Hzがよく使われています。

 昔のピッチは、現存するオルガンや管楽器などからある程度は推定できます。また、楽器の調律については、和声学の分野で様々な調律法(調律理論)が研究されてきた歴史があり、鍵盤楽器では中全音律とかヴェルクマイスター音律といった調律が実際に使われていたことが分かっています




油絵

「日本橋にて」 横尾正夫 2009



上田美佐子 バイオリン・ビオラ・フィドル教室
モダン・バロック・中世・ルネサンス
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